便利な執筆のツールと信じています

ということで、実際にリポジトリの中身を見ると、単なるwerckerの設定ファイルしかなく、技術的に優れているわけでもありません(というか、適当に作ったので、ひどいもんです)。
名前も偉そうに「t-ceremony」とつけさせていただきましたが、これはシステムを呼ぶ際に識別できるようにしておいた方が良いと考えたぐらいで、世界制覇とかたいそうな野望もありません。

どちらかというと、リポジトリの中身自体よりも、Slideshareに上げた資料を見ていただいて、設定方法を知っていただくことに価値があるのかなと、思っています。

今回使わせていただいているサービスも、いつ有償になるかわかりません。ただ、その際に他のシステムに移る時でも、今回の仕組みが役に立つのではと信じています。

もちろん、無償が素晴らしいというつもりは全くなくて、今回の物は、あくまでも導入を楽にするためのサービスで、本格的になってきたら、きちんと有償プランなどを検討しましょう。
また、各出版社、編集部でやり方があると思いますので、実際に本を出すときには、それぞれの出版社のやり方に従いましょう。

継続的出版の仕組みを手軽にしたいと思った

で、実際にどうするかいろいろと探しました。
Macでの環境構築は調べれば解決方法が見つかりそうだなぁと感じたのですが、Windowsの方があまり情報を見かけませんでした。
もちろん、それほど難しくはないだろうなぁとは思いましたが、それを検証するのも面倒だし、何よりWindowsの環境がどんどん汚れていくのは嫌。
ということで、クラウドでできる方法はないかという考えにだんだんと流れていきました。

そんな中で見つけたのが「(ReVIEW Tips) DockerでRe:VIEW--Qiita」という記事でした。
メンテナーの高橋さんによる記事ですが、Re:VIEW用のDockerfileが公開されていて、中身を見ると比較的簡単なスクリプトで書いてあったので、これなら、ubuntuが動いている環境なら実行できると勝ちを確信できました。

後は、無料で使えるCI探しです。
リポジトリ管理は、無料でプライベートリポジトリが始められるBitbucketと決めていたので、Bitbucketが使えるCIを探しました。
CIのサービスは、プライベートリポジトリは有償なものが多く、「Magnum CI
と「wercker」を見つけられた中、werckerの方が情報が多そうだったので、
こちらを使ってみることにしました。

いざ使ってみると、ビルド時間の制限がきつかったり、ビルドもエラーを起こしたりと、いろいろとあったのですが、何とか解決できて、これで比較的楽に環境が作れるかなぁと喜んでいたのでした。


で、仲間内だけで盛り上がっていたのですが、「GitHub Kaigi」で、WEB+DB PRESS編集部の稲尾さんが、「GitHubで雑誌・書籍を作る」というタイトルで、盛り上がっていたので、公開してみることにしました。
(稲尾さんの記事は、環境よりも編集の運用に主眼が置かれていて、必見だと思います。)

本を執筆する敷居を下げたい

先日、知り合いと「本書いてみたいね」と、いう雑談をしていました。
今までの経験から、ある程度、きちんと進めてから出版社に話を持っていくような形にしないと、立ち消えになりやすいと感じており、執筆環境を整えようかなぁと考えていました。
以前、本を書いた際はwordを使っていたりしたのですが、ページ数が増えると編集に難儀したり、複数人で作業することを考えると、どうしてもバージョン管理は欲しいと感じていました。
そのような中、別の人から、「Re:VIEWは、オライリーさんでも使っているし、いいんじゃない?」という情報を小耳にはさみました。
確かに、Re:VIEWは、マークアップ言語でシンプルにかけるので、執筆も編集も楽かなぁと思いました。

ただ、セットアップになかなか苦労しました。
自分の環境では、Re:VIEWの公式ドキュメントのクイックスタートガイドをそのままなぞるだけでは上手くいかず、いくつかのサイトをググって、解決の糸口を見つけることができました。
それが、私だけならいざ知らず、他の人も同じように環境を整えるのか!?
そして、自分はMBAで他の人はWindowsを使っていたりと、環境整備のサポートで自分に負荷がかかるのは目に見えていたので、頭を抱えていました。

こんな環境の構築は、環境設定に詳しいフルスタックエンジニアならいざ知らず、コンピュータに詳しくない人なら心が折れるなぁと、感じました。
環境構築の技術に詳しくないと執筆できないのは完全に間違っているので、何とか環境構築の仕組みを楽にして、もっと多くの人に執筆のための気持ちを持って欲しいというのが今回の動機です。

t-ceremonyとは

オライリーさんや技術評論社さんは、GitHubを使って、プルリクでの編集作業や即時の出版物の作成などができるようになってきます。
そのような Re:VIEW による出版物の作成を、Bitbucketwerckerを使って、無料で実現するための仕組みです。